後藤醸造[東京]

街に新風を吹き込む気鋭のブルワリー。


いま、日本のクラフトビールを語る上で欠かせないキーワードのひとつともいえるのが“ナノブルワリー”。マイクロブルワリーよりもさらに小規模な醸造所が、全国的に急増している。そのなかでも、地元に密着した造りで注目を集める後藤醸造の魅力に迫った。


[向かって左]経堂エール

世田谷産のフレッシュホップを使用しているペールエール。モルトの甘み、ホップの苦みのバランスが秀逸で、クラフトビール初心者でも親しみやすい。クセがなく、すっきりした味わいだが、コクもあって食事によく合う。ボトルでの販売もスタートし、全国発送も受け付けている。275㎖ 500円

[向かって右]シトラスガーデン

今冬の新作ビールは、世田谷育ちのユズとカボスを大量に使用した。常連客の家の庭で育ったユズを用いるという、ナノブルワリーらしい試みがユニークだ。果皮の上品な苦み、柑橘の爽やかさを前面に押し出している。どこか和のテイストをも感じさせる飲み口がすっきりとした1杯。275㎖ 500円

日本のクラフトビールを、よりおもしろくしているのは、小規模生産を行うブルワリーの存在が大きい。小さな醸造所はマイクロブルワリーと呼ばれるが、最近はさらにミニマムなナノブルワリーが急増。昨年4月に酒税法が改正されたこともあり、その数はますます増えている。

新宿から急行で約10分。経堂にある後藤醸造は、小さな醸造所を併設したブルーパブだ。店主の後藤健朗さんは東京農業大学の農学部を卒業し、食肉総合卸会社に就職するが、かねてから興味があった"モノ作り"への思いを成就させるべく醸造家の道を志す。自身の店を出す際は"ゆかりのある経堂"で物件を探し、2016年にオープンするやいなや看板商品の経堂エールがビール好きの間で評判を呼んだ。どうせやるなら地元の魅力を伝えられるビールを、と世田谷で栽培されたフレッシュホップを使用。イベントでホップの苗を配り、常連客が育てたものを仕込むこともあるという。そもそも、ナノブルワリーの魅力とは、造り手と飲み手の距離が近いこと。さらに、同じような小規模ブルワリーの醸造家が集まり、情報交換をしたり、イベントを開催するなど、ゆるやかに繋がりながら、クラフトビール業界を盛り上げている。「今後は、ローズヒップや果物なども積極的に使っていきたい」という後藤さん。ナノブルワリーの自由さと個性の豊かさが、この街の流れを確かに変えつつある。

店には12畳ほどの醸造所を併設。ビールは週に1回のペースで仕込んでいて、その8割が店舗にて消費される

コエドブルワリーや箕面ビールなど、店主と交流のあるブルワリーのゲストビールも扱っている



写真/川上 守 文/小寺慶子 Fine[ファイン]2019年2月号P147掲載

店 舗 名後藤醸造
所 在 地東京都世田谷区経堂2-14-3 経堂OKコート1F
電話番号03-6751-0698
営業時間15:00~22:30(日曜13:00~21:30)
休 業 日月・火曜






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