『レ・ミゼ』ファンならきっと知りたいはず!

翻訳版『レ・ミゼラブル―舞台から映画へ』の始まりは…


ミュージカル『レ・ミゼラブル』2019年全国5大都市ツアー公演がいよいよスタート! 一冊で作品の歴史と魅力がわかるこの本の翻訳を担当した山上要さんが、当時を振り返ります。


日頃から海外書籍の情報をチェックしていると、思いがけない出合いがあります。『Les Miserables: From Stage to Screen』もそのひとつでした。この原書の情報を初めて目にした時、表紙はおろか内容の詳細も明らかにされていませんでしたが、ミュージカル好きの自分にはその書名がキラキラと輝いて見えました。折しも映画公開を控えた時期、全世界のファンに向けて発売されるであろうこの本が、名作ミュージカル誕生からヒュー・ジャックマン主演映画製作までのエピソードで満載なのは容易に想像できました。しかし、何といっても英語の本。1987年から上演され、もちろん映画も上映される日本での『レ・ミゼラブル』人気は各国に引けをとりませんが、日本語で書かれていないというだけで、手に取る人が限られてしまうのはもったいない! 日本のファンの人たちもきっと知りたい内容のはず! そんな勝手な思い込みからこの本の翻訳は始まりました。

プロデューサーのキャメロン・マッキントッシュは、『レ・ミゼラブル』を当初イギリスで上演をするつもりはなかったものの、フランス語のオリジナル・コンセプトアルバムを聴き、4曲目(≪夢やぶれて≫の原曲)で「これはいいぞ!」と思って製作に着手したそうです。舞台公演と本の違いはあっても「予期せぬ出合いと思い込み」こそが、原動力なのかもしれません。

ともあれ、このミュージカル、彼の最初の思いとは裏腹に立ち上げは順調なわけではありませんでした。1985年のロンドン初演時には、作詞家の交代や一部のナンバーの未完成、劇評家たちからは厳しい洗礼も受けたそう。この本では、マッキントッシュをはじめクリエイティブチームや関係者たちのコメントからその苦労が浮かび上がります。また、世界中で上演国の増加、学校公演のスタート、現在の日本公演の基となった25周年記念ツアーの製作など、年々発展して2012年公開の映画に結実していく様子もたくさんの写真や図版とともに紹介され、まるで『レ・ミゼラブル』というミュージカルの成長を収めたアルバムのようです。特別付録の封筒に入っているポスターや上演資料のレプリカも手に取れば、映画公開までの27年間、世界中で人気を得たことをリアルに感じられるでしょう。

観劇後は、この本でミュージカルの歩みを眺めながら余韻を楽しんでみてはいかがでしょうか。

この本をチェックする。



書籍編集室 室長 小川敦子






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