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Editor's Column #4


映画『グッバイ・ゴダール!』で話題の
アンヌ・ヴィアゼムスキーの
日本初紹介・半自伝的小説


2018-08-09


映画監督ジャン=リュック・ゴダールと、その当時の妻となるアンヌ・ヴィアゼムスキーの日々が描かれた映画『グッバイ・ゴダール!』。アンヌ・ヴィアゼムスキーは、女優のみならず、小説家や脚本家としても数本の作品があり、5作目となる『愛の讃歌――愛さえあれば』は弊社より翻訳出版。当時、彼女の著書としては日本初紹介作品でした。1999年に東京国際映画祭への参加と自著のPRのために、フランス大使館の招聘で初来日。『グラン・マガザン』2000年1月号で、本書への思いを語っています。

書籍編集室 室長 小川敦子


 

女優から作家へ華麗なる転身
アンヌ・ヴィアゼムスキー

『グラン・マガザン』2000年1月号再掲載

 


女優として活躍した作品には
今も若い人々に影響力をもつものが


東京映画祭への参加と自著PRのためにフランス大使館の招聘で初来日したアンヌ・ヴィアゼムスキーさん。17歳で女優としてデビューして以来、数々の作品に出演。彼女を有名にしたゴダール映画は日本にもファンが多い。

「こんなにも多くの人々に影響を与えてきた作品に出演していたことが、やっとわかってきました。先日も東京でゴダール監督の『中国の女』の上映会に出席したんですが、多くの若い方々が参加。質疑応答も白熱していました」

名だたる監督の作品に出演した彼女が最も印象に残っているのはイタリアのパゾリーニ。

「彼は作品は違ってもスタッフはできるだけ同じメンバーにしているみたい。だから10秒のショットですら、みんんがすごい集中力で取り組んでいる光景に何度も出合ったわ」

今でも映画界の巨匠と呼ばれる人々には敬意を払っているとのこと。日本では大島渚監督に会えるのが楽しみだそう。


多くの人に勇気を与え続ける
小説『愛の讃歌-愛さえあれば』


彼女は現在6作の小説を発表し、フランスで注目されている作家のひとり。日本では5作目の『Hymnes a l'amour』が、小社より『愛の讃歌-愛さえあれば』(翻訳:中井多津夫)として初めて紹介された。父母それぞれの愛人への思いや、お手伝いマドレーヌの恋人との愛。癌にかかった父親の闘病生活。エディット・ピアフの名曲とともに愛とは何かが綴られている。

「とにかく私の両親のことをお話ししたかったんです。でもそこには倫理的な問題もあるので、できるだけ慎みをもって書きました。信頼できる人にも相談。責任のとれる範囲で可能な限りのことを書くことを助言されました」

愛に寛容なフランスとはいえ、幼い少女が両親をはじめ身近な女性の恋愛を理解するのはたやすいことではないと思うのだが……。

「私には特に困った問題ではなかったの。彼らはそれぞれ自分に心の中を私たちに隠さず話してくれたんですから。その前提がなかったらこの本は出版できなかったでしょうね」

苦しみながら書いた本作の中で、最もペンが進んだのがマドレーヌの章だとか。

「まるで彼女が書いてくれと言っているようでした。彼女のことを書くことで私は彼女への愛を思い出し、それが現実のものになったとき幸せな気分に包まれました。それは彼女の体に触れることができたような瞬間でした」

少女アンヌが大人の世界を許容していく様は、読者に勇気すら与えてくれる。


美しいボルドーの葡萄畑の景色が
私を癒してくれるもと


作品の中にはフランスをはじめヨーロッパの素晴らしい風景も出てくる。目下の彼女の息抜きは、大好きなボルドーを散策すること。

「ワインのカーブもたくさんあるので、みなさんもいらしたらシャトーを試飲して歩き、お気に入りを見つけてみては。ツーリストセンターにワイン専門の地図もありますから」

愛の讃歌―愛さえあれば








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