2017-12-10
アウディの魅力を凝縮したコンパクトSUVとして評判の高い“Q2”。ボディサイズは同社のSUVカテゴリーの中で最も小柄だが、低排気量であることを感じさせない力強いドライブ感も魅力のひとつ。小回りの利く走りっぷりも相まって、街中をふらりと走るにはドンピシャのクルマのようだ。
中東に住む遊牧民の暮らしから生まれ、現在は数少ない職人によって織り継がれているキリム織り。動植物や自然の風景がさまざまな模様として織り込まれた伝統織物の美しさといったら、まるでアーティストが描き出す作品のようだ。とりわけ、40~100年前に遊牧民が製作したオールドキリムの仕上がりが味わい深く、この日ふらりと訪れた青山キリムハウスは、その品揃えがハンパない。ものによってはそれほど高価でないものもあるので、一期一会で気に入った柄に出会うと衝動的に買ってしまうことも。
この店自体は大通りに面しているわけではないので、アクセスするには車線の狭い道や一方通行などを通ることもある。しかし、愛車をコンパクトなアウディのQ2に替えてからはそれが苦にならず、むしろ苦手意識があった街でのドライブが楽しくて仕方がないくらいだ。
車体サイズは、全長4200㎜、全幅1795㎜、全高1500㎜。前後のオーバーハングも短く、最小回転半径は5.1mと小さいので輸入車のSUVとしてはかなり小回りが利く。だから狭い路地もストレスなく走れるし、パーキングでもラクラク駐車できる。それでいて動き自体はキビキビと走り、直列3気筒DOHC直噴ターボエンジンは、アクセルを踏み込んだ際に余裕のあるパワーフィールをもたらす。その力強い走りっぷりは、999㏄という低排気量であることが信じがたいくらいだ。さらにターボエンジンでありながら、リッターあたり約20㎞という燃費のよさも移動距離の長いアクティブ派には嬉しいスペックだ。
加えて、アイドリングが静かなところも街乗りに最適なポイント。出足の加速はトルクフルで、それをアウディ自慢のデュアルクラッチトランスミッションの7速Sトロニックが切れ目なく操ってくれる。そのため、街でのストップ&ゴーにストレスがなく、軽快かつ快適にクルーズできるというわけだ。さて、今日の買い物では、ちょうどよさそうなキリムを見つけることができた。あまりにも気分がいいので、帰り道で味わう疾走感の気持ちよさもひとしおだろう。
アウディらしさは健在ながら、多角形を組み合わせたポリゴンと呼ばれる新デザインで個性際立つグリルに。クーペのような美しい曲線を描くルーフラインに対し、リアバンパーが力強いアクセントをもたらしている。
AUDI/Q2(1.0 TFSI sport)
■パワーユニット:直列3気筒DOHC インタークーラー付ターボ ■総排気量:999cc ■駆動方式:FF ■トランスミッション:7速 Sトロニック ■乗車定員:5人 ■車両寸法:全長4200×全幅1795×全高1500mm ■燃料・燃費:ガソリン・19.8km/ℓ
アウトドアの世界では、無駄を極力削ぎ落とした装備で自然の中へと繰り出す"ウルトラライト"という考え方が、ひとつのスタイルとして確立されつつある。荷物が身軽になることでフットワークが軽くなり、精神的な解放感も得られるようだ。こうしたマインドは、近場のエリアに向かうサーフトリップにも通ずるものがある。たとえば、「いつもよりちょっと離れたサーフポイントに足を延ばしてみようかな」と思い立ったとき。備えあれば憂いなしという発想で、デカいクルマに大量のギアを積んで行くのは気分じゃない。逆に「メインボードとちょっと浮力があるボードの2本持ちで十分でしょ?」と思うくらいのラクな気持ちで、必要最低限の装備をコンパクトなクルマに積んでいく。それくらいがちょうどいい。
そんな思いが確信に変わったのは、この日のプチトリップで、Q2の取りまわしのいいボディサイズのよさを実感したから。都内に多い、機械式立体パーキングのサイズ制限以下という大きさの基準をクリアしたコンパクトな設計だが、5人乗りのシートスペースの背後には、最大で1050リッターのラゲッジスペースを確保できる。さらに荷室の床面は低く抑えられているので、サーフボードなどの出し入れも極めてスムーズに行えるのだ。
しかも高速道路などをクルーズし始めた瞬間に体感できる余裕のあるパワーフィールは、999㏄であることを忘れるほどの力強さ。合流時に加速してもうなりを上げることはなく、しっかりと駆動力を発揮してくれる。サーフトリップの足としてあまりにも調子がいいので、行動範囲がますます広がりそうだ。