リバースプロジェクトが新体制で始動!原点に戻って考える会社とメンバーの存在(後編)

2018-01-10


Fine本誌で連載中の「人類が地球に生き残るために」を理念に掲げて活動するリバースプロジェクト。彼らの取り組みを紹介しているFine2月号では、代表の伊勢谷友介氏、龜石太夏匡氏と3名の社員の率直な対談を掲載しているが、そこには、本誌では掲載しきれなかった続きがあった。本音で話す対談の後編をここで紹介する。

伊勢谷友介
伊勢谷友介
いせやゆうすけ。1976年生まれ。俳優、映画監督、株式会社リバースプロジェクト代表。東京芸術大学在学中、映画『ワンダフルライフ』でデビュー。映画『あしたのジョー』などで活躍。映画『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』に出演。人生100年時代を見据え、自身の残り60年を“挫折禁止”の座右の銘のもと、同社代表としてこれまでの経験をふまえ、各々の問題を解決するために行動している。

  • 龜石太夏匡
    龜石太夏匡
    かめいしたかまさ。1971年生まれ。株式会社リバースプロジェクト共同代表。1993年、渋谷にパイドパイパーを立ち上げ、ファッションシーンをけん引。その後、映画『カクト』『ぼくのおばあちゃん』の脚本・プロデュースを手掛け、2009年に同社を設立。
  • 関根優作
    関根優作
    せきねゆうさく。1981年生まれ。伊勢谷氏が“根幹をなすポスト”と絶大な信頼を寄せる、事業運営責任者。東日本大震災での被災者支援を通じたリバースプロジェクトとの縁から、2011年に入社。本年度は人事・採用にも力を入れている。
  • 大釜 翼
    大釜 翼
    おおかまつばさ。1990年生まれ。株式会社リバースプロジェクトストア代表。学生時代にリバースプロジェクトで約1年間インターンを経験。その後、アパレル関連の他企業に就職し、販売やEC事業などで実績を積む。2016年に同社に復帰。
  • 武井朋美
    武井朋美
    たけいともみ。1991年生まれ。リバースプロジェクトが運営する全日本制服委員会責任者、リバースプロジェクト広報担当。大学時代にサステイナブルな社会と環境問題について学びを深め、IT関連会社を経て、2017年3月に入社。

社員から見る、伊勢谷・龜石の人柄


関根
僕から見た伊勢谷さん、龜石さんの両代表を一言で表すなら、“何事に対しても真剣”だなと。遊びも仕事も中途半端にやるなら、やらないほうがいい、という感じ。
大釜
僕も同じように思ってました。リバースプロジェクトは途方もないゴールを設定しているじゃないですか。“人類が地球に生き残るために”という……。この理念を貫く姿は、いつも勇気付けられるし、ありがたいと思っています。
それでいて、伊勢谷さんは誰に対してもフラットで、常に真面目に、しっかりと向き合ってくれますよね。相談すれば「次、自分が会社きたとき話そうか」と言って、率直に話し合う機会をとってくれる。龜石さんも誰に対してもフラットな部分は伊勢谷さんと同じですが、人を惹きつける求心力がすごいです。
学生から上場企業の社長の方まで、肩書きや年齢問わず多くの人を魅了する人物だと思っていて、龜石さんの近くにいると、圧倒的な安心感がある。まだ、自分にはそういう部分がないので、いつかそんなふうに成熟したいです。
武井
私は両代表の印象を一言で表すと、“信頼できる人”だと思っています。
たとえば、自分よりも上の世代の方などにお会いしたとき、多少なりとも打算的になってしまうことって、私も含めて少なくないと思うんです。けれど、「この会社として何ができるのか、社会に対して何ができるのか」と口にすることについては、誰に対しても一貫している。そこが、特に両代表を信頼できる理由です。

リバースプロジェクトが10期目を迎えて思うこと


龜石
リバースプロジェクトが10期目を迎えた今、これまではそれぞれの持つ個の力に頼っていた部分を組織化し、社内のメンバーを含めた各々の役割を明確にしていきたいということを(本誌の中で)先ほども話したよね。
ただ、そのような仕組みを整えても、その中で責任を全うできるのであれば、自由さはこれまで同様に大切にしていきたいと思う。
というのも、リバースプロジェクトはまだこれだけの人数で動かしている会社。だからこそ、これまでは強制しなくとも何かあればすぐにみんなが協力できる体制だった。
今後も、急激に人数が増えることはないと思うけれど、社員が増えてもその部分は今のままであり続けたいなと。
伊勢谷
確かにそうだと思う。
僕らはリバースプロジェクトを続けてきて、さまざまな経験をしてきたけど、それは決していいことばかりではなく、個人的にはそれらの経験をとおして、“人間の癖”も見えてきたんだよね。
僕の言う“人間の癖”とは、すなわち、今日に至るまでの人間の進化により作り上げられた“人間の考え方”ということ。リバースプロジェクトを立ち上げ、それを続けるというアクションを起こしたからこそ、見えてきたものでもあると思うんだ。
だからこそ、ここからの10年はビジネスとしてもう少しインパクトのある数字を出したい。そう考えると、今まで僕がやってきた10年と、今後の10年は違ってくるはずだから。
社員みんなの力でもっとソーシャルインパクトを創り出すために、それぞれがこの社会でどのように自分の役割や責任を全うするか、期待しているよ。
けれども、みんなにはそれぞれキャラクターがあるわけだから、それは龜石の言うように自由でなくてはならないとも思っている。イノベーションを起こすには、実行して仮に失敗したとしても、また次を創っていけばいいと思うから、とにかく最終的に結果を出すことに執着してくれればいいかな。

オリジナル商品の開発に向けて


関根
先ほどの話にもあったように、2018年は会社の仕組みをつくっていかなければいけないと僕も思っています。特に、採用についても。
伊勢谷
たしかに。僕の見えている景色から考えると、採用の部分だけではなく、売り上げも、セールスの部分でもそう思う。僕自身が社内にずっと居れないから、今後は僕が物理的な中心地としてコンスタントに対応できるようにする。何が今の問題か、しっかり僕が吸い上げることができ、信号を送っていくことができるシステムをつくる。まあ、普通すぎる話だけどね(笑)。
龜石
伊勢谷の言うシステムは、準備期間として昨年11月から導入しているし、今年からはプロジェクトごとの数字がダイレクトに伊勢谷に見えてくるんじゃないかな。
そのようになったら、そこからは伊勢谷のクリエイティブで瞬発的な、我々が考えもしなかったアイデアに期待したい。それがリバースの財産であり強みだから。そのために、もっともっと会社としても強くならないとね。
大釜はストアの代表として、今年はどういう年にしたい?
大釜
僕は代表としてさまざまなことにトライしながら、“消費の選択”についての価値観を広めるためにできることをやっていきたいです。それをどう表現すればいいか試行錯誤していますが、オリジナル商品の開発はその一つの答えであると思っています。
龜石
それは大事だね。僕が20代だった1990年代は、ファストファッションもインターネットもなかった時代だけど、今のファッション市場は当時の半分以下。とはいえ、市場はある。そこでは、我々が得意なもの、我々にしか打ち出せないものが価値を生むと思うんだ。
これからの時代はそういう意味・意義があるものが勝ち残っていくと信じているし、それがリバースプロジェクトとしてできることであれば挑戦していきたい。それを具現化できるのが大釜のポジションだから、ぜひ頑張ってほしいな。
伊勢谷
今までよりもっと精査して、製作できる商品をもう少し増やしてもいいかもしれないね。でも龜石の言うとおり、企業価値についても時代が違うから、昔のやり方は参考にならないとも思う。洋服の値段のアベレージも、社会での洋服に対する価値観も違うからね。
龜石
そうそう。ただ、昔と仕組みは変わってくるけれど、クリエイティブという部分が必要なのは昔も今も同じだと思う。素材や形をどうするか、というような創造的な部分が重要であることは変わらないからこそ、優秀なアーティストやデザイナー、そして、伊勢谷がいるリバースプロジェクトは強い。優秀なクリエイティブを探すのはなかなか難しいからね。
極論を言えば、僕らが有名デザイナーとのコラボや、さまざまな地域や地方の伝統産業などとつながることができてきたのも、リバースならでは。武器はいろいろある。それを大釜なりに利用して、限られたなかでもできる仕組みをつくっていってほしいんだ。

俳優・伊勢谷友介ではなく
経営者・伊勢谷友介としての思い


伊勢谷
これからの僕の人生をどうやって使い倒すかを考えたうえで、今の会社の規模でソーシャルインパクトを出すことを目標にすると、本当にまだまだ足りない。実行したことが社会的価値観になり信用になっていくから、リバースプロジェクトはやっとスタートラインに立ったようなものなのかな。
会社を立ち上げた30歳ぐらいのとき、僕自身の存在を利用することで、「もっと巨大な民衆の意識の変化がおきるのでは?」と映画のような夢物語を描いていた。
もちろん、それを信じるパワーがあったからこそ、リバースを立ち上げられた。けれど、正直、想像してたよりも甘くはなかったかな。それに対して自分自身不甲斐なさを感じてるよ。
ただ、もちろん諦めてはいない。これからの人間の平均寿命は100年と言われているから、僕にはあと60年もあるし、その間腐っているわけにはいかないな。第一、僕は“挫折禁止”と公言しているから。
だからこそ、今までの経験でネガティブな部分も含めて、「できないことはできない、できることはできる」と考えているし、「できることを実際にやる」ためには、ものすごい努力と先行投資をしなければいけないとも感じている。
正直、それは壮大なことだけれど、未来のために、新しいプロジェクトのために、頑張りたい。改めて言うけれど、リバースプロジェクトは社会を変える仕組みをつくり、その中で生み出す商品を買ってもらうことで、世の中がよい方向に向かうことを目的としている。そのためには、世間の信用を得なければならない。
収穫した野菜の形が小さかったり、変形していたりすることで捨てられてしまう規格外野菜を利活用するプロジェクトを僕たち民間企業が代わりに担っているが、それは本来、公共事業として国がやるべきことだと思う。けれども、こういった事業でも民間企業として利益率が少しでも上げられるのなら、やっていく価値がある。なぜなら、いわゆるゴミとして捨てられてしまうものを人間の栄養に変え、生きる人のために活用できるわけだから。
そういったことを向こう10年はもっとやってソーシャルインパクトを与え、みんなの意識を変えられることをさまざまなジャンルにおいて証明していきたい。そのために、どうすればそれが実現できるのか、どうすれば多くの人の心に響かせていけるのか、解決するための方法を代表として考え実行していきたい。
撮影/田中丸善治 取材&文/Nana Takeda



- Company Profile -

社会課題に斬新なアイデアとクリエイティビティで、解決策を提示するリバースプロジェクト。プロダクト開発からまちおこしまで、さまざまな領域でサステイナブルな未来への選択肢を広げてみせようとする、実験的な取り組みを展開中。 同社の強みをさらに活かすため、個々の力に頼っていた部分の役割をより明確化する仕組み作りや、スタッフの採用にも力を注ぐ。現在、新戦力となる人材を募集中。











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