2018-03-09
世界的にクラフトビール人気が過熱しているが、アメリカやイギリスに負けず劣らぬクオリティと高い評価を得ているのが、メイド・イン・ジャパンのビールだ。連載1回目は、日本人ならではの感性と緻密なビール造りで注目を集めるブルワリーをご紹介しよう。
旅は豊かな感性を育むもの。見知らぬ土地での体験や人との出会いは、その後の人生を大きく変えることもある。Y . Y . G . ブルワリーの醸造家、山之内圭太さんがビール造りに目覚めたのはバックパッカーとして世界を旅していたときにカナダで出合ったホームブルーイングがきっかけだった。
ホームブルーイングとは、自宅のガレージやキッチンでビールを自家醸造すること。山之内さんは「自分で飲みたいビールは自分で造る」というスタイルに感銘を受け、ビール造りを一から学び、Y . Y . G . で提供するオリジナルのビール醸造を任されるに至った。
まず味を想像し、そこに近づけるための計算式を組み立てる。スペースや人手の都合上、試作が難しいため、ビール造りはぶっつけ本番。1回で思い描いた味を実現させるために表計算ソフトを駆使して、イメージを具体化させていく。定番のビールは、味わい系の“代々木アンバーエール”とすっきり系の“新宿ペールエール”の2種。常時6種前後のオリジナルビールを揃えているが、どれも個性的だ。
季節感や旅先で見た景色をイメージしてビールを造るのも山之内さんのテーマのひとつ。ヨーロッパの森の中を散策している気分になる“トリュフエール”やガンジス川を照らす朝日の美しさを思い起こさせる“チャイエール”など、新作も続々。自由な発想から生まれる味わいがビールの奥深さを教えてくれる。
Y.Y.G.ブルワリー&ビアキッチン
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