2018-05-09
待望のマイナーチェンジで、アクティブ派好みのルックスを手に入れたヴェゼル。独自のハイブリッドシステムによる燃費性能も極めて高く、運動性能を総合的に高める新型ダンパーの採用が、走りの安定感とレスポンスのよさにも拍車をかけている。キビキビ走る乗り味が楽しいので、ドライブがてら自然の中に繰り出さずにはいられない。
キャンプで自然との一体感を味わうためには、ギアやウエアはシンプルに徹したほうがいい。そんなミニマリストな考え方も間違いではないが、ストイックになりすぎてしまうのは考えもの。逆に肩の力が入りすぎて、開放的な気分を台無しにしてしまいかねないからだ。そういう意味でグランピングというスタイルは、変に力むこともなくリラックスした時間を過ごせるのがいいところ。たとえばサーカスアウトドアトーキョーで体験できることは、まさしくその好例。緑豊かな奥多摩湖を眺められるロケーションは、ワイルドな自然と戯れるにはこれ以上ないくらい理想的だし、それでいて思い切り遊んだあとの夕食は、なんと腕利きのシェフが地元食材を生かして作るフルコース料理。火起こしや後片付けに手間取ることがない分、自然の中で過ごす心地よさを存分に享受できるというわけだ。
そんなグランピングの魅力に目覚めたのは、愛車をホンダのヴェゼルに乗り換えたおかげかもしれない。カテゴリーとしてはコンパクトSUVなので、遠出にはややもの足りないイメージで見られがちだが、実際乗ってみるとその予想はいい意味で裏切られる。マイナーチェンジによりエンジンの改良を行ったヴェゼルは、リッターあたり25.6kmという高い燃費性能はそのままに、走行時のスムーズさが増したハイブリッドシステムが自慢。それでいて、スポーツモードにするとアクセル操作に対する駆動力が増加し、スポーティな走りを楽しむこともできるので、奥多摩に向かう山道も楽しくて仕方がない。そして極めつきは、運動性能の総合力を高めるパフォーマンスダンパー。これが走行中に発生する車体のたわみや微振動を軽減し、穏やかに整えてくれる。要は自然にやさしい走りをしながら、ドライバーが満足するキビキビとしたドライブを楽しめてしまうというわけ。そんな愛車の走りっぷりに身を任せていれば、目的地に到着するのもあっという間。運転のストレスが少ないので、喧騒や忙しさを忘れ、思い切り羽を伸ばすことができる。おかげで、どうやらグランピングにもハマってしまいそうだ。
バンパーやグリルを変更し、インラインタイプのLED ヘッドライトを標準搭載。マイナーチェンジにより、SUV らしいスポーティなルックスに拍車をかけた。ハイブリッドRS はエンケイ製のアルミホイールを使用している
HONDA / VEZEL
(Hybrid RS Honda SENSING)
■パワーユニット:水冷直列4気筒横置 DOHCチェーン駆動 1.5L i-VTEC+i-DCD ■総排気量:1496cc ■駆動方式:FF(前輪駆動) ■トランスミッション:7速デュアルクラッチトランスミッション ■乗車定員:5人 ■車両寸法:全長4340×全幅1790×全高1605mm ■燃料・燃費:ガソリン・25.6km/l(JC08モード)
都会と自然とを行き来するデュアルライフを楽しむ大人にとって、理想的なクルマとは果たしてどんなタイプなのだろうか。おそらくそのイメージにピタリとハマる車種のひとつが、マイナーチェンジを果たしたヴェゼルだ。低燃費を実現し、二酸化炭素排出量も抑えられるハイブリッドシステムは、自然派にとって嬉しい機能だが、魅力はそれだけではない。何より嬉しいのは、市街地でも運転しやすいそのボディサイズだ。全長4340mm、全幅1790mmというスペックは、街をスマートに駆け抜けられるようにこだわり抜いたという絶妙なサイズ感。加えて、最小回転半径は5.5mと小まわりが利くので、細い路地でのハンドリングもしやすい。そんなコンパクトな設計が強みな一方で、アイポイントはセダン車+100mmという設定なので、見晴らしもメチャクチャいい。ロングドライブに限らず、街なかを走るときも広い視野を確保できた方が安心感も高いというわけ。
さらにエンジン性能の向上などで、走り自体のパフォーマンス性を高めている点も見逃せない。今回行ったマイナーチェンジでは、新世代のハイブリッドシステムに加えて直噴1・5リッターエンジンも搭載することで、エンジン自体のパワーも向上している。さらに、シーンに合わせて特性が変化する振幅感応型ダンパーもかなり優秀。コーナーリングなどの大きな動きに対しては、安定した姿勢をキープする働きをし、凸凹の道路を走るときなどは細かい振動を抑えてくれる。街でも自然でもヴェゼルに乗れば、とにかく走ること自体が楽しいので、ドライブ好きに拍車がかかってしまいそうだ。