2017-09-26
クルマにとって空気抵抗は少ないほうがいい。でも、その空気の流れを推力に変えられたらクルマはもっと速くなるとか。それを確かめたいなら、是非このクルマで!
“機能美”という言葉がある。無駄を省き、デコラティブなものを削ぎ落としたデザインを持つプロダクトに使われる言葉だ。F1グランプリのレースカーや航空機などがその代表選手だろう。機能を突き詰めた結果、出来上がったデザインが美しいということを意味する。アップル社のPCやダイソン社の掃除機なんかもそれに当たる気がする。
その点からすると、かつてスーパーカーと呼ばれたクルマは微妙な立ち位置だったかもしれない。’70年代や’80年代は特にそうで、デザイナーの個性が前面に押し出されていた。デカイ羽がくっついていたり、ドアの開き方ばかりに話題が集中してしまうなんてこともあった。乗り降りのたびに頭を打ちそうなヤツね。
そのため、走りのパフォーマンスよりも押し出しの強さが優先されていた面も少なくない。大きくパワフルなエンジンは、直線加速は速いがコーナリングは苦手なんてことも。というか、ドライバーの乗り降りばかりか、視界を確保するという点でも支障が大きかった。まぁ、「それがいい!」というマニアックな意見が通る世界であることは否めませんが。
ただ、ここ数年その風潮はガラリと変わった、と思う。スーパーカーは見かけ倒しではなく、走りもスーパーなクルマに生まれ変わっているのだ。まさに、“真のスーパーカー”になったのである。
そこで脚光を当てたいのが、この〈ランボルギーニ〉ウラカン ペルフォルマンテ。ウラカンをベースにした究極のパフォーマンスカーとなる。ちなみにペルフォルマンテは、英語に訳すと“ハイパフォーマンス”。スタンダードモデルをチューンしたことを意味する。
その目玉は、エアロベクタリング。簡単にいうと、空気の流れを調整して推力を補うもの。ALAと呼ばれるシステムでそれを実行する。
でもって、これが実にユニーク。その機能はフロントとリアウイング内にあるのだが、それぞれフラップが内蔵され、必要なときに自動的に動く。高速域では空気をうまい具合に流し、ブレーキング時はそれをダウンフォースに変えてクルマを路面に押しつけるのだ。
さらにいうと、コーナリング時はリアのウイングが真ん中で2つに分かれ、別々の動きをする。コーナー内側のウイングはダウンフォースを、外側は気流を流すようフラップが自動制御されるのだ。風を味方にする。そう、それが21世紀のスーパーカーってことですね。